Never Let Me Go - 北園みなみ
入学式，入社式シーズンですね．おめでとうございます．新元号も発表され，私も心機一転頑張っていきたいと思います．今回取り上げるのは，そんな季節にぴったりなアルバムです．北園みなみの三枚目のアルバム「Never Let Me Go」は，2015年の12月に発表された冬をテーマにした作品のようですが，意外にも，春先に聴くと驚くほどしっくり来ます．例えば，前作の最後の曲「ミッドナイト・ブルー」のアンコールのような気がしてくる1曲目「Contrition」は，卒業式で流れたら泣いてしまうかもしれません．優しいファンファーレに導かれる楽しい楽曲ですが，なぜか学び舎での思い出が走馬灯のように流れてきます．大学の初年度に，私は彼の一枚目のアルバム「promenade」を買いましたが，それが呼応しているのかもしれません．
二曲目の「ひさんなクリスマス」は，少しとぼけたイントロが愛おしい，ユーモアのあるクリスマスソングとなっています．しかし暖かい空気感故，今の季節に聴いても場違いになりません．
三曲目の「Gelatin」は，一分にも満たないギターによる小品です．このとりとめのなさは，私が彼に興味を持ったきっかけであるサンクラの小品たちを思い出させ，とても好きです．凄腕のプレイヤーが，休み時間にちょろっと弾いたような気負いのなさがいいです．実際すごい練られているんでしょうけど．と思ったらサンクラに，タイトルは違いますがそのままの楽曲がありました．
もう一枚貼ります．こういった習作が彼のサンクラには溢れており，喫茶店とかのBGMに使ってもまるで違和感がないと思います．完成度がすごい．
四曲目の「冬を数えて」は，キリンジっぽいですね．声もヤスに似ている気がしてきます．すごいジェントルな雰囲気．実質この曲がアルバム最後の歌物で，五曲目のインスト「街の宝石」とセットのような印象があります．
しかし，彼の楽曲はYouTubeではなかなか見つからず，良さが伝えきれないのがもどかしいです．また，彼はこのアルバムを発表した後，現在まで自身のアルバムを発表していません．そろそろ次回作を期待したいところですけど，音楽活動を辞めたってことはないですよね...?
