音楽好き好き

音楽好き

Ridge Racer Type4/Direct Audio - namco

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今は亡きnamcoの名作レーシングゲーム,R4のサントラを今日は取り上げます.R4は家に何故かあったため,小学生の頃遊んでいました.子供心ながら非常に洗練されたBGMとインターフェイスの印象が強く,大学生になっても気になってサントラを買いました.やはり人気があるようで,Amazonのレビューでも60近くの好意的なコメントが残されています.発売当時かちょい前ぐらいに流行っていたドラムンベースがこのサントラのベースになっています.他のレーシングゲームのBGMをあまり知らないのですが,ここまでクールでサントラの枠を超えて何度でも聴くに耐えるものはそうないでしょう.というかドラムンベースという私的には飽きやすいジャンルの音楽で,ここまで何度も聴いているものはないです.「Your Vibe」が特にお気に入りですが,作曲している境亜寿香はキリンジの「RMX2」で「シーサイド・シークェンス」をリミックスしており,逆に彼女の作曲した塊魂の「つよがり魂」をキリンジが歌っていたりします.これはキリンジのメガネの兄,堀込高樹が元namco社員で,「風のクロノア」のBGMを担当していた縁があったためだと思われます.またドラムンベースだけでなく,普通にギターが熱い「Move Me」も忘れてはいけない名曲でしょう.ゲームのサントラとして片付けるのはもったいない一枚となっています.

The First Question Award - Cornelius

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Corneliusの1st「The First Question Award」です.1994年の作品ですね.最近,といっても2017年ですが2006年の「Sensuous」から11年越しの新譜「Mellow Waves」の発表で驚き,内容も予想の斜め上を行くもので二度驚きました.私はCorneliusが音楽を担当しているNHKの教育番組の「デザインあ」も好きだったので,2013年に発売された番組の1枚目のサントラも予約して手に入れてました.そのため,次の新譜はこんな感じか?と勝手に予想してたのですが,全然違いましたね.しかしこのバリバリの渋谷系1stからこのように音楽性を変えていくとは誰が予想できたでしょうか?本人はこのアルバムが嫌いなようですが,私は普通に好きな作品です.洋楽の美味しい部分を抽出したような作品で賛否両論あるかも知れませんが,まあ若気の至りというかここから知った音楽もありますし,洋楽のカタログのような感じで楽しめます.しかし「Love Parade」に関しては,もはやロジャニコの「Don't Take Your Time」のカバーだろとつっこみたくなります.

phony phonic - capsule

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冬の京都は死ぬほど寒くて,特に最近は無事越冬できるか不安になります.まあ音楽があればなんとかなりますけどね.そしてなぜか聴きたくなったcapsuleの3作目「phony phonic」を取り上げます.この時代のcapsuleは私的に非常にツボです.1stの「ハイカラガール」は割と王道のJ-popを指向していたように思うのですが,2ndの「CUTIE CINEMA REPLAY」ではpizzicato fiveの影響が見え隠れし,しかし彼らほどシリアスでは無いところが気に入っています.このアルバムもその流れを汲んでいて,SF三部作への布石といったところでしょうか.三部作に比べてあまり歌そのものよりもリズムの方に重点が置かれているような気がします.しかしキャッチーな名曲「idol fancy」が入っているのは見逃せません.Hazel Nuts ChocolateのYuppaも歌で参加しています.一番好きなのは「cosmic tone cooking」ですけどね.

空洞です - ゆらゆら帝国

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最近blankey jet cityを聴き始めいいなあと思ったんですが,独特の歌詞や頭の血管が切れそうな音楽性が私にゆらゆら帝国初期を想起させました.しかし今回取り上げるアルバム「空洞です」はゆらゆら帝国の最後のアルバムであり,既にblankeyとはなんの関係もないところにあります.まず1曲目「おはようまだやろう」の気持ち悪いくらい甘ったるいギターのイントロに面食らいます.もはやR&Bみたくなっていて(知り合いは腐れAORと評していました),ゆらゆら帝国がこれをやっていると思うと少し笑えます.しかしこれ以降は非常にミニマルな楽曲が続き,普通の歌ものは9曲目の「一人ぼっちの人工衛星」までありません.ミニマルな音楽は過去のゆらゆら帝国でもちょくちょく有りましたが,アルバム単位でミニマルだったことは無いはずです(強いてあげれば「しびれ」でしょうか).そしてギターの音色や歌声が非常にまろやかなので,以前あったような攻撃性を全く感じず,全てを受け入れて微笑しているような空気が全編に漂っています.「あえて抵抗しない」なんてまさにそんな感じの歌詞ですが,浮遊感のあるギターとズンズン進むようなリズムが癖になり,かなり好きな曲です.以下のギター無いバージョンも非常にカッコいいです.

www.youtube.com

意外とゆらゆら帝国初心者には聞きやすかったりする一枚なのでは?

Elis Regina in London - Elis Regina

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知人がブラジル音楽に傾倒していて,私も試しに良さげなブラジルの音楽を調べて買ったのが,今回ご紹介するElis Reginaの「Elis Regina in London」です.1969年の作品のようです.この時代の音楽はどれも素晴らしく,適当にこの年代のCDを買ってもあまりハズレがないという印象が有ります.このアルバムもやはり期待通りで,ジャケットのような溌剌としたボーカルと演奏が聴きどころでしょうか.しかししっとりと聴かせる曲もあったり,緩急があって聴き応えがあります.普段は洋楽と言ってもアメリカの音楽を聴きがちなので,このアルバムのようなブラジルの普通のポップスでも非常に新鮮に感じます.やはり暑い地域の音楽だからか,リズムは軽やかで歌声は伸びやかな,清々しい音楽だと思いました.夏に聴くには最高でしょう.ただ,冬場は更に寒く感じてしまう気がします.聴く季節を選ぶかも知れません.

Child's View - 竹村延和

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勝手に竹村延和縛りで一週間レビューを書いてきました.とりあえず今回でこの縛りは終わりとしますが,最後に記念すべき竹村延和の1stソロアルバムにして傑作,「Child's View」を取り上げたいと思います.このアルバムは1994年に発表され,この時期はまだSpiritual Vibesも平行してやっていた頃のようです.彼がSpiritual Vibesをどこまで主導していたのかは詳しくないですが,あちらは結構プレイヤー各人の色が出ているような気がします.しかしこちらは彼のソロで,彼が音の全てを取捨選択してできるクラブジャズがどんなものか,という問に答えたのがこの作品と言うこともできるのではないでしょうか.

ソロ二作目の「子供と魔法」以降には,音の一つ一つが主役で,子供さながら誰のためでもなく自分のために鳴っているような作品が多い気がします.しかしこの一作目には,逆に一つも無駄な音が無く,物分りの良い大人が完璧な音楽を作ろうとしてできた作品,といった印象を持ちます.つまり徹底してリスナー,もしくは竹村自身のために作られた作品なんだと思います.実際これを聴いて少なくとも駄作という評価をするリスナーは,まずいないでしょう.かと言って媚を売っているとかでは全くなく,ストイックに良い音楽とは何かを自問自答して生まれたのではないでしょうか.そしてこの路線を極めた感触があったのでしょう,彼は振り返ること無く新たな表現の可能性を模索するようになっていきます.では適度に曲の感想をしたためます.

「Phases Of The Moon」:洗練という言葉はこの曲のためにあるのではないかと思うほどの完璧なオープニングです.20年以上も前(というか私と同い年)のはずですが,一周回ってとかではなく,未だにストレートにセンスがいいと感じます.きっと永遠にかっこいいのでしょう.

「For Tomorrow」:こちらは歌ものとなっていますが,やはりかっこいいです.バックで木琴のような電子音のような不思議な音が鳴っており,彼の今後の方向性を示唆しているとも受け取れそうです.つんのめったようなベースラインも印象的です.

「Ivory Tower」:「象牙の塔」とは浮世離れしたような物事のことを表す言葉ですが,Childiscもそんなところありますね.やはりそれだけでは立ち行かない音楽産業というものを彼が嫌うのも無理はないと思います.話がそれました.まさにクラブジャズといったコンパクトな楽曲です.

「Rill」:美しい.

「The Future With Hope」:子供の声が冒頭にサンプリングされていて,彼らの無限の可能性に思いを馳せて作られたのでしょうか.純粋過ぎて逆にパンクです.

「Pastral Waltz」:幻想的.

「Let My Fish Loose」:Aphex Twinにもリミックスされた曲(彼はクソな曲だからリミックスするとは言っていますが).普通にいい曲だと思います.

「One Blue Moment」:Spiritual Vibesの曲のリミックスです.ボーカルは無くなってますが,原曲より些か賑やかに感じます.楽器が多いのでしょうか.

アルバムで一つの作品といった感じなので曲の個々の個性は弱いですが統一感があり,それでこそアルバムだなあとは思います.まだ紹介できていない竹村作品が幾つかあるので,それらも今後気が向いたら紹介していきたいと思います.

 

ほしのこえ - 竹村延和

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竹村延和の「ほしのこえ」のご紹介です.このアルバムのジャケット単体でも非常に気に入っているのですが,ケースも特別に黄色くなっていてジャケットアートとよくマッチし,愛着が湧きます.以前紹介した「Sign」の「Sign」と「Animate」の「A Chrysalis」が入っていて,電子音よりかと思いきや,かなりアコースティックな現代音楽風の曲もあります.1曲目の「One Day」は,鳥の環境音やコミカルな電子音を使った,どこかの公園や街角の風景を切り取ったような曲で,2分もないですが好きな作品です.2曲目の「Anemometer」はとてもゆったりとしたミニマル・ミュージックで大好きな曲です.13分近くあるのですが,なぜか全く飽きずに聴けます.その点ラヴェルボレロと共通しています.このような曲を作れてしまうところに彼の天才を感じます.「Honey Comb」は音フェチ的というか,「Sign」の音で「Finale」に入っているような曲を作ったという感じです.ひたすらフェティッシュな音が鳴っているような,曲というよりは音を純粋に楽しむことができる作品です.「A Theme For Little Animals」は2014年の「Zeitraum」のような現代音楽といった感じの曲です.「Stairs In Stars」は1曲目のような雰囲気の作品で,こちらも好きです.しかしあちらは地球の情景ですが,こちらはもっと重力の弱い別の星の風景を想起させます.「The Voice Of A Fish」は水中にいるような感覚をもたらします.全体的にこのアルバムは音を楽しむことに重きを置かれているようで,曲として作られている感じは少ないです.ポップなジャケットに反してかなりマニアックかもしれません.