ペイパードライヴァーズミュージック - キリンジ
さあ今回で本ブログが取り上げたアルバムは100枚目となります．令和が始まる前に書いてしまいましょう．彼らの，いや日本のポップスにおける最高傑作と私は信じてはばかりません．キリンジの1st「ペイパードライヴァーズミュージック」を取り上げます．正直結構前から，100枚目はこのアルバムにすることを決めていました．
キリンジは前回のSamuel Purdey同様Steely Danの影響を公言しています．しかし，私はキリンジからSteely Danっぽさを良くも悪くもさほど感じません．日本人なのもあるでしょうが，とてつもなく取っ付きやすい音楽となっています．そして何度聴いても飽きない．この二つを持ち合わせるアルバムはそうあるものではありません．高校一年でこのアルバムに出会えたのは私の人生において最も幸福な出来事の一つだと思いますし，音楽好きが決定的になったのも，もしかしたらこのアルバムのせいかもしれません．この記事を読んでいて，もしこのアルバムを聴いたことが無いという方，あなたは幸運です．こんな素晴らしい音楽を聴かないで，人生を終えずに済むのですから．
「野良の虹」：エグい．エグすぎる．完璧過ぎる．正直，自分で音楽を作ろうとか，軽音に入ろうとか高校生の頃に考えもしなかったのは，当時はこの位完璧な音楽にしか興味を持てなかったからだと，今になって思います．雲の上過ぎて，手を伸ばす気も起きなかったんでしょう．
「雨を見くびるな」：こんなん，新人な訳ないでしょ？曲が曲なら，詞も凄まじいです．「蝕む」とか普通歌詞に使う？竹村延和のリミックスもあるっていうのが傑作ですよね．
「甘やかな身体」，「P.D.M」：箸休め的な曲．かと思わせてめちゃくちゃいい曲．確かにリラックスしてますが，しっかりフックがあります．
「ニュータウン」：私的ワクワク感のある曲堂々の第一位です．冬に聴くのがツウですね，知りませんが．しかしアウトロの尻切れ感がすごい不穏．
「汗染みは淡いブルース」：何でライブしか無いんだよ〜．ライブも良いけども，スタジオ版のちょっと淡々とした感じが好きなんですよ，私は．最後の連続するサビが本当にたまらないです．
ちなみに兄こと高樹氏がナムコ社員だった頃に関わっていたゲームで，この曲の片鱗を聴けます．以下に貼る動画は彼の社員時代の仕事を集めたもので，非常に興味深い内容です．
「五月病」：これも結構好きなんですよね．心が安らぎます．みなさんも五月病にはお気を付けて．．．
「かどわかされて」：「拐かす（かどわかす）」とは人をさらうという意味です．このアルバムの最後は，この曲意外にありえません．やっぱり自分達で「麒麟児」だなんて名乗るだけあります．私は平成の終わりをこの曲で迎えることにします，みなさんもよい令和を．
