ハイカラ・ガール - capsule
中田ヤスタカとこしじまとしこによるユニット,capsuleのファーストアルバム「ハイカラ・ガール」.2001年の作品です.とてつもなくポップですが,この作品と,(perfume含む)セカンド以降では何かが決定的に異なる印象を受けます.その差はおそらくピチカート的であるかどうかにありそうです.
後期p5,つまり小西康陽と野宮真貴体制時には,歌謡曲やJ-popで重視される情緒とか愛憎とかをかなぐり捨てて,音楽が本来持つ純粋な快楽を突き詰めたような曲が目立ち始め,この路線はcapsuleやperfume,そのほかボカロやアニソン,ゲーソン等で現代にも引き継がれているように思います.
一方でこの「ハイカラ・ガール」に限っては,後の彼らの音楽性からは想像しにくい,古き良きJ-popを指向している感じがします.ただ中田・こしじまという関係は,後期p5の小西・野宮をすでに踏襲しているように思え,やはり意図的に影響を隠していたような気もします.実際セカンドアルバムから一気に振り切れますし.
そしてこの「ハイカラ・ガール」には,セカンド以降鳴りを潜めてしまう情緒があり,季節感があります.冬の始まりを思わせるような「粉雪」に始まり,春の訪れを予感させる「さくら」で終わるため,今の季節に聴くとすっごいイイ感じ.おすすめです.