7-seven- - キリンジ
ジャケット姿の堀込兄弟が印象的なアルバム「7-seven-」を取り上げます．エレクトロなアプローチを見せた「DODECAGON」の次作にあたるこのアルバムは，「3」のようなキレを感じる快作となっています．まず不穏なホーンのイントロで始まる「家路」に驚きます．キリンジの１曲目は割と明るい感じの曲が多いのですが，この曲は何か焦燥感を感じさせるものとなっており，今までとは違う印象を与えます．二曲目の「朝焼けは雨のきざし」は打って変わって可愛らしい曲で，癒やされます．「SHOOTIN' STAR」は非常にポップなファンクですが，このような曲をキリンジがやることは珍しい気が．「今日も誰かの誕生日」はこのアルバムで一番好きかもしれません．お誕生日ソングというありそうで無かった曲ですが，ここまでポップでクオリティが高いと既に決定版ですね．普段はひねくれているのにこんな優しい歌詞を書ける兄が素敵です．
www.youtube.com「ジョナサン」は弟作の彼らしいストレートなロックンロールで，まだこの世に美しいメロディーが残っていることを教えてくれるような曲です．「この部屋に住む人へ」は引っ越しソングという，これまたありそうで無さそうなニッチなテーマですが，オチまでついた非常に良くできた曲です．私も来年あたり6年住んだアパートを引っ越す予定なのでとても感傷的になりそうですが，この曲を聴きながら準備をしたいなと思います．「もしもの時は」はストーカーじみた視点の曲で，非常に変態っぽい歌詞ですが曲調が明るく，アルバムの最後の最後に高樹節が炸裂しています．総じてこのアルバムには名曲が多いので，キリンジファンは外せないでしょう．
