SUSTO - 菊地雅章
菊地雅章の1981年の作品，「SUSTO」を取り上げます．タイトルはスペイン語で，ショック，恐怖，怯えといった意味のようです．確かに衝撃的な音楽です．便宜上ジャズにカテゴライズしていますが，先入観にとらわれないで聞いてもらいたいです．アメリカの地下鉄から着想を得たという1曲目の「Circle/Line」はDCPRGのカバーで有名ですが（私もそこから知りました），原曲もなかなかえげつないです．マイルスの「On The Corner」のような感じですが，「On The Corner」が理由もなく現れて，目的もなく踊っている感じだとすれば，こちらはある程度コースを巡りながら踊っているような印象を持ちます．長い曲ですが展開が面白く，飽きさせません．
DCPRGバージョンです．
2曲目の「City Snow」はフルートが美しいとてもムーディな楽曲です．タイトル通り，都会に降る雪の中を独り歩いているような情景が浮かびます．カリカリしたギターが耳に残る「Gumbo」は，CMにも使われたことがあるらしいレゲエ調の曲です．レゲエといっても眉間にシワを寄せたような緊張感があります．最後の「New Native」はフリー気味の演奏ですね．こちらもすごい緊張感があります．自分がこの場にいたら，失神する気がします．
