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日々気合

できれば愛を - 坂本慎太郎

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ゆらゆら帝国のボーカル,坂本慎太郎のソロ三作目「できれば愛を」を取り上げたいと思います.2016年の作品です.もうそんな経ちますか...非常に聴き心地のよい作品ですが,相変わらずどんよりしてます.インタビューによると明るい感じを出したかったようですが,彼の声質的に無理であることを悟ってこうなったみたいです.

realsound.jp

サウンド面では曰く

坂本:今回は音数が少なくて、でも一個一個の音はすごく太くて。鋭い音を一切排除して、中域の密度を重視して。石とか木とか動物の皮みたいなものだけでできている、木彫りの置物みたいな、そういう感じのものが飛び出してくる。そういうイメージだったですね。

とのことです.これは言ってることが分かります.そんな感じがしますから.問題なのはコンセプトで,「LOVE」を表現したかったみたいですが,

坂本:そうですね。なんかこう……恋愛とかLOVE&PEACEとかスピリチュアルな感じとか人類愛とか、そういうでかい感じの愛じゃなくて、ミクロの方向。自分の悪いところを免疫細胞が治してたとか、汚染された土地をバクテリアが浄化してたみたいな。そういうイメージの「LOVE」なんですけど。

分かりづらい.細胞にはきっと感情は無いでしょうし自分の仕事を全うしているだけですが,そこに愛を感じてしまうのは,傷が治るのが当たり前のことでは無いことにそろそろ気付く年齢だからでしょうか.このアルバムを聴いていると,ずっしりとした犬くらいの大きさの,よくわからない動物が私に寄り添ってくるような感覚を受けます.刃物を突き立てれば血が出そうな生々しさがありますが,同時にぬくもりも感じます.言葉は通じません.インタビューに絡めれば,彼はそこに文脈を排した生命活動そのものを表現したかったのかもしれません.

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やっぱよく分からん笑