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日々気合

人生なんて

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あ,修論を無事書き終えて二ヶ月近く経ちました.この一年は就活と修論という,今までの人生で味わったことのないくらいしんどいイベントが二つも重なり,正直よくやったなと思います.そしてそんな中で人生について何かを掴めた気がするので,それを久し振りに記事として書き起こそうかと思います.

何らかの目的がある人生で大切なこと,それは実験だと思います.実験は何も科学者だけが行う作業ではありません.どんな人間でも,やっていることです.実験とは,有意義な情報を得るために,仮説を立て,検証をすることに他なりません.多分こうだろうけど,本当にそうであるか分からない命題があるとします.そういう時に,うまく実験を計画して実行することで,その命題が真,つまり正しいのか,偽,すなわち正しくないのかが明らかになります.そして,この実験から得られた事実だけを元に,さらに次の実験なり理論を積み重ねていくことになります.論文(少なくとも理系)ではここに妄想やデマのような根拠不明の事象が入る余地はありません.

人生においても実験,つまり現実の体験が積み重ねられて,その人の人格や思考が形成されていきます.しかし論文と異なるのは,妄想や憶測,デマが入り込む余地が残されているという点です(別に思考に矛盾があったところで,人生が否定されることは決してありません).

ただ,就活をするに当たって,自身の妄想や憶測が邪魔をしたという事実は否めません.このくらいでいいや,とか,多分こんな感じやろ,みたいな根拠のない考えが自分を安心させ,玉砕する,ということが実際に起きています.別に就活が失敗したところで人生が終わるわけではないというのはそうですが,少なくとも自分にとっては不都合でした(多額の奨学金を返さなければいけない).

研究でもそうです.結局実験不足で,地に足がついてない,実体験が伴っていない考え方をしていた.就活や研究が難航した理由はこれに尽きます.「このアイデア良くね?」というアイデア一発の研究は大抵うまく行きませんでした.アイデアがあって,それを実験し,失敗し,原因を探り,再びアイデアを考える.この繰り返しが大切であり,根拠の無い思いつきはゴミと一緒です.振り返ってみれば,自分が今まで困難を感じたことも,このせいだった気がします.自分の今いる地点と目標との距離を正確に認識していなかった.正直に言えば,認識するのを避けていたんですね,怖いから.そして本当に背水の陣になってやっと距離を直視し,本気になってなんとか成し遂げる,という傍から見たらとてもヒヤヒヤする動きをいつもしていた訳です.

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原因が分かってしまえば簡単です.初めから腹をくくって,現実を直視しろっていう話です.現実を直視し,今の課題を正確に見極め,トライアンドエラーで一つずつ解決していく.これで大抵のことは成し遂げられる気がします.失敗することは成功と同じかそれ以上の価値があると,どこかの誰かが言っていたと思いますが,本当にそうだな,と最近は思います.失敗することで,何をしたらだめ,ということが分かり,可能性の範囲を狭めることができるからです.可能性の範囲を狭めることができれば,正しいアプローチに一歩近づいたことになります.

ここまでは,人生でいかに目的を達成するかという話.そしてここからは,人生の目的について考えたことを書きます.

もし目的があるとすれば,実験はとても大切であると書きましたが,では人生の目的とはなんでしょうか?この問もこの一年で深めることができたように思います.そして私が結局出した答えは,「答えが無い」という,なんとも肩透かしな結論です.でも意味があると思います.

例えば,人生に答えがあったとしましょう.そしたら,人はその答えに向かってまっしぐらに生きるでしょうね.そうすると,その人は自分の人生に対して疑問を持たなくなるでしょう.頑張っているという満足感に麻酔されて,脳は思考停止するでしょう.人生の目的の奴隷となり,社畜となり,振り回され,でも自分は一歩一歩進んでいるんだという気持ちに励まされ,最後には報われると信じ,死んでいくのです.個人的にはそれはダサい.好きじゃない生き方です.

実際答えなんかないのに,お金持ちになったり,フォロワーを増やしたり,幸せな家庭を築けばゴールだという妄想を信じている,その気持ちは分からなくもないです.自分がゴールに日々向かって進んでいると信じ,安心するためには,まずゴールが存在しなければいけない訳ですから.

しかし人生にゴールはありません.どうぶつの森と一緒です.どう進めたって良いんです.安心感を得る必要はありません.常に不安でいましょう.不安定が人生のデフォルトであると考えるのです.サーフィンはやったことがありませんが,人生はサーフィンみたいなものだとしばしば思います.常に波があり,サーファーはその波の上でうまくバランスを取り続ける.この営みそのものが人生の醍醐味だと思うのです.人生は基本不安定であることを自覚し,落ち着いて,楽しみながら乗りこなす.これを一生続けていきたいと思います.明日は初出社だ.

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