Dots and Loops - Stereolab
眠れない深夜にぴったりな音楽.ステレオラブの「Dots and Loops」は彼らの5枚目のアルバムです.1997年.
ステレオラブはティム・ゲインとフランス人のレティシア・サディエールを中心とするロンドンのバンドです.バンド初期はドイツのバンド,neu!のようなハンマービートっぽい曲が多く,neu!が短命だっただけにそれを更に推し進めたような疾走感のある演奏とバッファロー・ドーターを思わせる女性ツインボーカルには好感が持てましたが,4作目辺りからさらに独自のケレン味のあるポップスという路線が出現してきたように思います.Tortoiseのジョン・マッケンタイアが前作に引き続きプロデュースをしているということで,シカゴ音響派作品とも言えるのかな?でも1曲1曲は短めのフォーマットで普通のポップス然としているため大変聴きやすいです.ただ退廃的な雰囲気も兼ね備えており,ディストピア感がそこはかとなく漂っています.ハイラマズもその辺似てますね.
「Brakhage」:深夜のベッドルームがよく似合う可愛らしい1曲目.近未来チックなのにローファイな雰囲気があり,すごい好きな世界観です.
「Miss Modular」:名付けるなら,無表情ポップス笑.棒読みとも違うんですが,この歌声からは何の感情も読み取れない不思議な曲.お洒落とも言う.
「Rainbo Conversation」:ラテンっぽいけど低血圧な楽曲.こういうムード好きです.次作の「Cobra ~」への布石?
「Parsec」:ステレオラブ流のドラムンベース?クールです.
「Ticker-Tape of the Unconscious」:不穏なオルガンが非常にかっこいい.聴いててこんなに不安になるのに.
はじめにポップス然してるとか書きましたけど,聴き返したら結構実験的ですね.最後に初期の名曲を貼っておきます.これはかなりneu!っぽい.