Bellissima! - Pizzicato Five
Pizzicato Fiveの二作目で1988年に発表されたアルバム，「Bellissima!」を取り上げます．イタリア語で「最も美しい女性」というキザなタイトルのこのアルバムは，しかし全く名前負けしていない，素晴らしい作品だと思います．ボーカルは田島貴男，当時はオリジナル・ラヴも並行していたみたいですが，作曲のセンスも目を見張るものがあります．特に彼の作曲した最初の三曲である「惑星」，「誘惑について」，「聖三角形」の流れは，この時点で既にこのアルバムを傑作たらしめています．wikiによると，音楽雑誌「ミュージック・マガジン」では「仏作って魂（ソウル）入れず．キャッチ・コピーが“汗知らずスーパー・スウィート・ソウル”とは，まさにいい得て皮肉．」などと痛烈な批判が見られたみたいですが，本当にくだらない作品だったらここまで言わないでしょう．完成度の高さゆえに何か癪に障るものがあったのか，それとも小西の音楽批評家的マニアックさに対する同族嫌悪か何かだと私は思っています．
とにもかくにも小西，高浪，田島という男三人によって作られた，聴いた者の心を揺さぶる耽美な世界観は一聴の価値アリです．一番好きな曲は，自殺を目論む男の退廃的なナンバーである「日曜日の印象」ですが，それ以外の曲も全然YouTubeに落ちてないですね，是非買って聴いてみてください．
これはライムスター宇多丸プロデュースによる，「これは恋ではない」のカバー．かなりかっこいいです．
こちらはライブですが，哀愁が漂っていて非常に味があります．
