イデオロギー・クッキング - メスカリン・ドライブ
私静岡の浜松が地元なんですが,浜松にはメスカリン・ドライブというライブハウスがあるみたいですね.窓枠しか知りませんでした.高校時代は(今も?)ライブとは無縁だったもので.という訳で今回取り上げるのはメスカリン・ドライブというガールズ・バンドの1991年のアルバム「イデオロギー・クッキング」です.メスカリン・ドライブの名前は知っていたのですが聴いたことが無く,頭の片隅にはあったのですが,ブックオフで中古を漁っていたら280円コーナーで見つけたので買ってしまいました.半分位ジャケ買いですね.なぜかバッファロー・ドーターの前身のバンドだという勘違いがあって(それはハバナ・エキゾチカですね),やけに関西っぽい(もっと言えば京都っぽい)ジャケットに違和感があったのですが,調べてみるとやはり関西のバンドで,ソウル・フラワー・ユニオンの前身バンドでした.ソウル・フラワー・ユニオンもいくつかアルバムを持ってはいるのですが,今はメスカリンの方が好みかも知れません.これは当たりを引きました.
「龍宮へようこそ」:ロックというより黒人音楽っぽいグルーブがとても私好みです.コンガとか入ってますしね.内海洋子の野蛮な歌声と伊丹英子のギターがとてもクールです.
「マウンテンバイク・フロム・ヘブン」:日本っぽい土着的なリズムと歌声が非常にハマっています.ギリギリでダサくなりそうなんですが,非常にかっこよくまとめられています.
「正体不明の被害者意識」:鋭いオルガンが印象的な,ファンキーな曲です.社会派ラッパーの曲みたいなタイトルです.
「イデオロギー・クッキング」:これはガールズ・バンドっぽい曲ですね.中川敬作曲.今までの曲が(いい意味で)まったく可愛らしさが無かったので,これが異色に思えます.歌詞は難しいですね.「台所で 二人 イデオロギーを 料理する」って...イデオロギーという言葉は,高校時代に生徒会長が朝礼で使った時に初めて知りました.
「闇の波間」:童謡のような曲です.二人が成長してすれ違う様子が,秀逸に表現されます.
「からまる・あ・お」:これは津波を思い出させて少しセンシティブですね.3.11は私の音楽の聴き方にも未だに暗い影を落としているみたいです.
「ブラッド・ゴー・ラウンド」:軽快な曲と対称的な歌詞が面白いです.
「迷宮新喜劇」:現在は京都に住んでいるのですが,新喜劇というものをついぞ見たことが無いんですよね.知っているともっと楽しめるのでしょうか.
「ノスタルジア・シンドローム」:サビの二人の掛け合いが好き過ぎる.
「バイバイ龍宮」:1曲目「龍宮へようこそ」のリプライズです.改めてかっこいいグルーブだと感じます.
全部の歌詞に対訳が付いていてすごいです.帰国子女の内海洋子によるものでしょうか.曲に関しても,彼女の歌でなければしっくりこなさそうな曲ばかりで,そういう面で独自性に大いに貢献しているのかなと思います.