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Animate - 竹村延和

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2002年の作品「Animate」です.スピーチマシンが使われており,この後の作品の「10th」の電子音部分を抽出したようなアルバムとなっています.曲がそれぞれ10分近く有り,「10th」がバラエティ豊かな短い曲をたくさんであるのに対してこちらは一つのテーマを1曲でずっしり聴かせるような感じで統一感のようなものがあります.曲名は1曲目の「Generecombination」と2曲目「Animal Show」以外は全て生き物の名前になっており,楽曲をスピーチシンセでAnimateしているということなのでしょうか.しかし「遺伝子組み換え」なんて曲があって,当初は歪に聴こえた楽曲のせいで,危ない動物実験でもしているのかという印象を受けました.たぶんそんなことはなく,子供の純粋さみたいなものを追求していった結果,フクロウやミジンコといった生き物にそれを見出したのかなと思いを馳せています.

「Animal Show」はかなりポップでメロディアスな曲で,このアルバムのハイライトなのではないでしょうか.弾んだ電子音が楽しいです.「Moth」はアコースティックな落ち着いた曲で,「ミラノ」に入っていてもおかしくはないかもしれません.「Owlet」は高い声のスピーチシンセが何かを歌っていて,曲名通り小さなフクロウがおしゃべりしている様子が思い浮かびます.「Crysalis Part1」「~ Part2」は「Hoshi No Koe」収録の同名曲を2つに分割して「Part2」「Part1」という順番に入れ替えて収録されているみたいです.どういう意図があったのかは不明ですが,そちらの方がしっくりきたのでしょうか.「A Centipede」は「Animal Show」をサンプリングした曲で,ムカデがのたうちまわっているような引きつったビートの楽曲です.「A Flying Squirrel」はスピーチシンセというより人の声を加工したような音にエコーがかかっているような不思議な曲です.ムササビって感じはしないです.「Water Flea」は機械のうなりのような音がずっと鳴っていて,誰もいない研究室の水槽のような感じです.少し寂しさのようなものを感じます.彼のアルバムの最後には寂寥感のある曲が配置されがちですが,これも例外ではないです.

聴いていて楽しい気分になるアルバムではないですが,このような雰囲気を醸し出せるのは彼しかいないので,一聴の価値ありです.