Thelonious Himself - Thelonious Monk
モンクを聴くまでは,ジャズに限らずピアノは流麗に弾かれるのが当たり前だと思っていました.
そのため私の初めてのモンクであるこのアルバムの1曲目「April In Paris」を耳にしたときは,違和感だらけで拒絶反応を起こしてしまい,それ以降しばらくモンクから離れることになりました.
その後私はジャズからR&B,ソウル周辺を聴くようになるのですが,そこで再び似たような違和感を感じるミュージシャン,ディアンジェロに出会います.
彼らに共通するのは,然るべきタイミング(だと私が思い込んでいた)で音を鳴らさず,奇妙なタイミング(と思っていた)でそれをする点,音楽の可能性を私に示唆してくれた点です.
今では二人共大好きなミュージシャンで,特にモンクはジャズピアニストの中でもかなり好きな部類となりました.
このアルバムはモンクのピアノ作品となっており,彼の際立った個性を十二分に堪能することができるため,私のお気に入りの一枚となっています.ジャケットも素晴らしい.